
2025年6月4日
長野県富士見町にある入笠山に行ってきました。
数年前の冬に初めての雪山として訪れたことがあったのですが、装備が整っていなかったこともあり登頂は出来ていませんでした…今回は山頂への登頂リベンジとハイキングをしながら、時期のスズランやお花に最近見れていない野鳥たちと出会いたい!と思い入笠山を訪れました。
今回のハイキング大きな目的は3つ
- 入笠山山頂からの景色を楽しむ!
- ヒュッテ入笠でランチを楽しむ!
- すずらんとホテイアツモリソウを見る!
麓の富士見パノラマリゾートからゴンドラを利用して手軽に気持ちのいい高原ハイキングができるため、公共交通機関を使って日帰りで目一杯楽しんできました!

公共交通機関で入笠山を楽しみたい方の参考になれば幸いです!

目次
アクセス・ハイキングルート

コースタイム
・8:36 富士見駅
・9:27 富士見パノラマリゾート到着
・10:05 ゴンドラ乗り場 山頂駅
・11:35 入笠山山頂
・12:05 ヒュッテ入笠(旧マナスル山荘)到着
・14:10 ゴンドラ乗り場 山頂駅
・15:45 富士見駅
入笠山ハイキング(ゴンドラを利用してお手軽に)
富士見パノラマリゾートを目指す(パノラマリゾートへの徒歩アクセス)

地元から電車を乗り継ぎ富士見駅に到着!ここから富士見パノラマリゾートまでは歩きで3.6km、約1時間の距離です。歩きはちょっと…という方には駅前から富士見パノラマリゾート間はシャトルバスも出ています。

到着したタイミングからバスの時間までまだしばらくあり、今回は歩きでパノラマリゾートに向かいました。徒歩でのアクセスの参考になれば幸いです!
まずは駅前から国道20号線を目指して歩いていきます。500mほど歩くと国道をまたぐ歩道橋が見えてくるのでそれを渡ります。

歩道橋を渡り終えたら細い路地に入るとすぐにY字路に差し掛かるため、左の道に入ります。

少し登りながら自然の中に向かっていくような道になっています。約800mほどは道なりに進めばオーケーです。
途中の林の間を抜けるようなところでは鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえます。

ホオジロやジョウビタキの親子が元気に鳴いて飛び回っていて楽しい道のりです。

とにかくジョウビタキはたくさん飛び回っていて標高を上げればこんなにたくさん会えるものなのかと驚くほどでした!

まっすぐ歩いてくると上の写真の交差点に出るので、ここを左に曲がりまたしばらく道なりに歩いていきます。

道中では初遭遇のカッコウ!名前の通り本当に「カッコウ、カッコウ」と鳴くものなんですね。想像よりも大きく凛々しい鳥でした。
最近地元であまり出会えていない野鳥たちは意外なことに山の上よりも駅からパノラマリゾートまでの徒歩の間にたくさん見ることが叶いました。朝の時間帯ということもあってか常に周りから鳥のさえずりが聞こえるほどでした。

入笠山とパノラマスキー場が書かれた青看板が出てきたら右折してパノラマスキー場方面へと向かいます。
ここからパノラマリゾート入口まではあと1kmほどです!

池の横を歩いたところのT字路。ここを左折してからは本格的に上り勾配になりました。パノラマリゾートまであと700mほどです。


鳥を見ながらのんびり歩いて約1時間、富士見パノラマリゾートに到着です!
いざゴンドラで花々の咲く高原と『120万本のすずらん祭り』へ

乗車券を購入してゴンドラ乗り場へと向かいます。往復券は大人1人2,400円です。
私が訪れた時は往復券の購入で入笠山に咲く花の紹介冊子、さらには持ち帰ることのできる山野草の苗との引換券も貰えました!
野草の苗はすぐそばの売店の前で交換してもらえるので下山後に交換がオススメです!

チケット売り場でモンベルクラブ・メンバーズカードを提示するとゴンドラの往復券が200円引きになります!

チケット売り場の向かい側にお手洗いと休憩・待合室があります。とてもきれいに整備されていました!

山頂から山麓まで夏の間はマウンテンバイクのコースにもなっているようで、たくさんの方がダウンヒルを楽しんでいました。
まだ体験したことのないマウンテンバイク…いつか挑戦してみたい!


ゴンドラ乗り場には山頂の天気、気温や開花中の花情報も掲示されています。

ゴンドラの中からマウンテンバイクのコースが見えます。写真だと伝わりにくいですが走るのは怖そうだと思うほどの傾斜です!

ゴンドラ山頂駅に着き外に出ると目の前には大きく八ヶ岳の展望が広がる!
ゴンドラで一気に標高を上げて涼しい風ときれいな空気を楽しみながら歩き始めます。

木々もなく開けたなだらかな高原での望遠撮影は地上に吸い込まれそうな迫力が楽しい!
入笠山でたくさん見ることのできるスズランは大きく分けて「ドイツすずらん」と「日本すずらん」の2種類だそうです。この2種類は見ごろの時期が少しずれているみたいです。
ドイツすずらんは山頂駅近くの山野草公園が、日本すずらんは入笠山山頂との間にある入笠湿原が見どころになります!

私が訪れた6月4日はドイツすずらんが見頃で日本すずらんはまだ開花していませんでした
観光案内 | 富士見パノラマリゾート 長野県富士見町
ゴンドラ山頂駅からすぐのところに広がる山野草公園のマップです。
まずは右側のエリアのドイツすずらんやイチヨウランを楽しんできます!

小さいながらもたくさんのスズランが咲いています。

可憐で温かみのある素敵なお花。天気も良く日に当たる姿を見るとさらに綺麗な花だと感じます。

スズランが咲く中にタンポポやその綿毛も風に揺られていました。コントラストになるタンポポと一緒にスズランを楽しめました!

八ヶ岳バックのタンポポと一面に咲くすずらん
山野草公園ではすずらんの他にもさまざまな花が咲いていました。春から秋まで時期ごとに花が咲いているためいつ来ても楽しめる場所です!

大きく花を広げるヤマシャクヤク

ニリンソウ
日の当たる場所で群生していました

イチヨウラン
多くの都道府県で絶滅危惧種に指定されているみたいです。山野草公園の奥のエリアにネットで保護されていました。運良く咲いているところが見れてラッキー!

イチヨウランが咲いているエリアは道が細く傾斜地のため撮影時は他の方と譲り合いながらが良さそうです

山野草公園の一番奥には八ヶ岳を一望できる展望台があります。



八ヶ岳だけでなく奥秩父の山々、甲斐駒ヶ岳に鳳凰三山、富士山も見渡せてとても贅沢なビュースポットです!
歩きやすい登山道と眺望が素晴らしい山頂
山野草公園をぐるっとひとまわりしてきて、ここからは山頂を目指してハイキング開始です!

ゴンドラ山頂駅から5分ほど歩いてきたところ。入笠山は案内図や道標がしっかりと整備されていて安心してハイキングを楽しめます。

湿原手前にはシカ対策の門

入笠湿原に向けて森の中の木道を下っていきます。

樹林帯から一気に広がる入笠湿原。底部には小川が流れ、その上の木道を歩いていく湿原ならではの楽しみが味わえます!

これは下山時に撮った写真ですが、時期を迎えると木道の横に広がる斜面に日本すずらんが咲き乱れるみたいです。次はぜひとも日本すずらん開花のピークに合わせて訪れてみたい!

湿原を抜けたところにある山彦荘さんでは売店での買い物や食事ができるみたいです。

右側の車道と左側の登山道に分岐しています。雪山シーズンに来たときは車道側がルートになっていて他に登山道があるとは思っていなかった。

鮮やかな花を咲かせるクリンソウ。

色の違う花を咲かせるクリンソウが群生しているエリアもあります。(結構遠くに咲いている花を望遠で撮ってます)
野鳥撮影用に持ってきたレンズが思わぬところで役立ちました。

少し進むと車道と再合流してまた分岐。登山道側も二手に分かれ、写真の子供たちが登っている直登と左に広がるお花畑をつづらで登っていくルートが選べます。

つづら折りの上りを越えて二つの登山道が合流した地点からは少しきつい登りになり、登山道らしい道になります。
遠足に来ていた地域の小学生たちはとても身軽に進みながら元気に「こんにちは!」と挨拶していく。見ているこちらも楽しくうれしい気持ちになります!


傾斜がきついポイントから少し進むと山頂へのコース分岐に差し掛かりました。
上りは山頂へと直登する岩場コースで行ってみます。

岩場コースに入り山頂に向かって傾斜のきつい道を登っていきます。

途中で一か所クサリが設置されていました。クサリを使わなくても問題なく登れます。

頑張って登っていると目のまえでウグイスがさえずっていました。
手を伸ばせば届きそうな距離でも全然逃げない…驚かさないようにそっと進みます。

さらに進んで階段が出てきたら山頂はもうすぐそこです!

岩場コースを登り始めて約10分ほど。入笠山山頂に到着です!

岩場コースは危険箇所や技術的に難しいところはなく、短い距離ですがひたすら直登です。急傾斜で大きな岩を足を上げて登っていくので体力を使う道でした。


山頂はなだらかでとても広く360度の大展望が楽しめます!団体さんや遠足の学生さんたちと同じタイミングで山頂に到着しましたが、生徒さんたちが走り回っているくらいには広大な山頂で気持ちの良いところです。

南アルプスの山々も八ヶ岳展望台よりさらに見渡せます!
全方位に眺望が開けていて吹きっさらしになるため、防寒・暴風装備はあった方が安心だと思います。

山頂標識の隣に記念撮影用の看板が収納された箱があります。

立派な記念撮影用看板。どの方向にも展望が開けているからこそ好きな角度で写真が撮れる撮影用看板はありがたい!
しっかりと収納箱で守られているためとても状態が良かったです。

八ヶ岳、富士山、南アルプス、中央アルプスとどれを背景にしても記念になる写真がとれる極上の大展望でした!

写真を撮ったり山を眺めてのんびりしていると一気に山頂が雲に包まれた。景色が楽しめるタイミングで登頂することができて本当に幸運でした!
どの方角も雲に覆われて日も遮られたため体が冷えないうちに下山していきます。
ヒュッテ入笠で昼食を楽しむ

帰りは迂回コースを利用して下山していきます。

木の根と大きな岩のある傾斜のついたコースが始まりますが数分で緩やかな道になっていきます。

歩きやすいあまり傾斜のないルートになり、先ほどの岩場コースとの分岐点まではのんびりと歩いていく。

下山は迂回ルートということもありリズムよくサクッと進み、途中の分岐で上りとはルートを少し変えてヒュッテ入笠の前まで降りてきました。
雪山シーズンに来たときは「この場所からはアイゼンだけではきびしい!」と思い撤退したポイントであり懐かしい!

12:05 ヒュッテ入笠に到着
入笠山での楽しみの一つがここで頂くランチです!

美味しそうなメニューばかりでどれにようか迷ってしまいます…
ランチの営業時間は11~13時で材料がなくなり次第終了になるそうです。特に牛の赤ワイン煮のメニューは大人気で売り切れになっていました。

12時過ぎに私が並び始めた直後、後ろの方たちで受付終了になっていました!
ランチを目的に訪れる場合はなるべく早めの到着をおすすめします!

迷いましたがガッツリ食べられる「玉子とじカツ丼」を注文!ひれカツの枚数も3枚で注文してボリューム満点のどんぶりが運ばれてきました!

玉ねぎが半玉くらいは入っているんじゃないかと思うほどの量、しかも甘くてカツにあう!
ヒレカツもよくある平たいものではなく俵のようなギッシリ肉厚のものがこれでもかと入っていて山で疲れたところに最高の食事でした!

大盛りにはしていないですが満腹になりました。山の上でこれだけ美味しくたっぷり食べられて1,700円はお安い!

自炊用にテーブルを時間ごとでお借りすることもできるみたいです。
たっぷりお腹が満ちたところで下山再開です!
幻の花 ホテイアツモリソウを楽しんで下山
行きと同じ道をのんびりと戻りながら入笠湿原へと戻ってきました。

湿原の中にぐるっと整備された木道を花を楽しみながら散策しつつ再び山野草園を目指す。

下山の途中で足元に咲いていたスミレ。小さいけれどよく目をひいて美しくとても好きな花です!
たくさんの種類がある花なのでいつも迷いますが、このスミレはどの種類でしょうか…?

周りを見渡しながら歩いていると少し早咲きのニッコウキスゲが一輪咲いていました。これから次々と咲き始めて一帯が黄色に染まっていくのかも!

ゴンドラの山頂駅近くまで戻ってきて最後の目的のホテイアツモリソウを見に行きます!やはり大きな見どころにもなっているようで大きく看板が立てられていました。
自生しているこの花は全国的に見てもとても少なく見ることができる場所は限られているそうです。
ホテイアツモリソウは本州で生育が確認されている県は、長野県・山梨県・福井県の3県だけであり、長野県では富士見町でのみ自生しています。環境省及び長野県のレッドリストで、近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い、絶滅危惧類に区分されています。現在、日本国内で自生している固体数は、わずか100個体程度と推測され富士見町ではさまざまな保護活動を行っております。

ホテイアツモリソウはしっかりと守られながらも野生で力強く咲いています。
今まで目にしてきた様々な花と比べても似たようなものがない独特な形と色をしていて、とても強い存在感を放っていました!
綺麗に咲いている良いタイミングで訪れることができてよかった!この花を見に来る方も多いようでちょっとした順番待ちをしながらの観察でした。

イチヨウランと同じようにネットで保護されているので大きく写真に収めるにはちょっとした望遠が使えると良さそうです!
やりたいことも全て果たせてじっくり入笠山を満喫できました!満足感とともにゴンドラで下山です!

山麓まで降りてくるとさすがに高低差があって少し暑く感じます。ロープウェイやゴンドラを使う登山だとこの温度差で「山から下りてきたなー」と実感しますね。
帰り際にゴンドラのチケット売り場横で山野草の苗を交換券と引き換えてもらえました!いくつかの種類から選べるようになっており、私はチベットコアヤメという花の苗を選択。家で大切に育ててみます!

帰りのシャトルバスは15時ちょうどの出発。乗り場はチケット売り場のすぐ前なのでわかりやすいです。

シャトルバスの出発直前はお土産屋さんと山野草の苗の交換所がたいへん混みあっていました。少し時間に余裕があるほうがいいかもです!
私は「行きの道のりと同じようにたくさん野鳥が見れるかも!」と思い、帰りも富士見駅まで歩きました。さすがに朝と違い野鳥はあまり居ませんでしたがいい運動になり楽しかったです!

新宿方面、松本方面どちらでも富士見駅に着く時間によっては電車まで結構な待ち時間があるかもしれないので、あらかじめ時間を調べておくのがオススメです!

夕方から夜にかけての特急あずさは混み合うようで途中駅からは満席のアナウンスがされていました。少し早めに予約をしておくと安心かもしれません!
ハイキングを終えて
入笠山は首都圏からでも特急でサクッとアクセスできるうえに、ゴンドラを利用してお手軽にアルプスの高原歩きが楽しめるとてもいい山でした!
気持ちのいいハイキングだけでなく時期ごとに楽しめるたくさんの植物やグルメという楽しみもあり、日帰りでも充実した山歩きを気軽に楽しみたいという方にうってつけのスポットだと改めて感じる1日となりとても満足です!
どの時期にも楽しみのある入笠山。みなさまもぜひ一度訪れてみてください!
今回の記事で使用した撮影機材
- (カメラ)SONY α7Cii 【ILCE-7CM2L】+(レンズ)SIGMA Contemporary 28-70mm F2.8 DG DN
- (カメラ)OM SYSTEM OM-1 Mark II +(レンズ)M.ZUIKO DIGITALED 100-400mm F5.0-6.3 IS Ⅱ